
5月6日18時0分配信 SankeiBiz
BMWグループの世界販売は、約185万台(2012年)と中堅の自動車メーカーだ。だが、高級車市場では世界トップのシェアを誇り、収益率も年8〜10%以上をキープしている。13年、新たに持続可能な次世代モビリティ「BMW i」を投入し、環境対応車のラインアップ強化を目指す。そのプロジェクトを統括するマキシミリアン・ケルナー氏に、プレミアムにこだわる同社のブランド戦略について聞いた。
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−−東京モーターショーのBMWブースでは、コミューターEV(電気モーター)「i3(アイスリー)」とPHV(電気モーター+1.5リットル直列3気筒ツインパワー・ターボ・エンジン)のスポーツカー「i8(アイエイト)」の新型モデルが次世代のプレミアム・モビリティとして話題を集めたが、新ブランドを投入する狙いはどこにある?
【ケルナー】今から6年前、BMWグループでは将来の社会環境を予測しながら「i」というブランド戦略を考えたときに、私たちは持続可能な次世代モビリティ、つまりトータルでの「サステナビリティ」を達成することを目指すことを決めました。もちろん、クルマのパワーユニット自体は燃費効率を高めてゼロエミッションを達成することは言うまでもありません。設計・開発・生産面などでも環境に優しいことや経済的な持続可能性、さらに、社会的責任ということも含めました。
例えば、「i」を生産する場合、工場内は、静かで、音が非常に少ない。無理な姿勢で負担をかけない生産方式に変えるなど、労働環境も従業員にとって働きやすい条件を整えています。工場で使用するエネルギーも太陽光や風力発電などの再生可能エネルギーをすべて自前でつくり出す供給システムを導入しました。
−−日本市場でも「i3」と「i8」の予約受注を開始しました。どんなユーザーがターゲットになりますか?
【ケルナー】それはみなさんで想像してみてください(笑)。我々は、特定のユーザー層に特化したクルマだとは考えていませんし、どなたにも乗っていただきたいのです。私たちはこれまで高い地位を占める「ブランドポジション」を長い年月をかけて築き上げてきました。この価値観を曲げたり、ある特定のポジションに妥協してまで、開発することはしません。この「i」ブランドのコアバリューは、
「ビジョナリーモビリティ」と「インスピレーショナルデザイン」「サステナビリティ」の3つです。つまり未来志向型の移動手段であり、クルマが持つ本質的な価値が一目でわかるデザイン。そして環境問題などでも罪悪感を持たないで乗れることです。この種のモビリティを好まれる顧客は外出好きで、責任感が強い方ではないかと思います。
−−「i3」が500万円前後、特に「i8」は2000万円近くもする超高級車です。
【ケルナー】「i3」「i8」にしても、一番適した価格だと思っていて、価格を下げるつもりは全くありません。一度でも試乗いただければ、このクルマには十分、値段の価値があると思っていただけると確信しているからです。
−−日本のメーカーは、販売台数を重視し、市場に応じたスペック、価格にする場合も多く、BMWの戦略とは大きな違いがあります。
【ケルナー】他社の戦略についてコメントする立場ではありませんが、BMWの歴史そのものが、最初から最後まで優れたプレミアム製品とサービスを提供してきた歴史と言えます。この「i3」「i8」に限らず、私たちの戦略はプレミアムセグメントでナンバーワンであり続けることなのです。付け加えれば、台数と価値はお互いに相矛盾するとは思いません。
私たちはまずビジョンとして、将来どのような方向にいきたいのかを見定めて、それから優先順位を設定します。それは「FUN・TO・DRIVE」(駆け抜ける歓び)というBMWの歴史であり伝統ある価値観を忠実に守り、提供し続けることによって、その結果として台数はついてくるものだと思っています。私たちの一番高いプライオリティは台数でなく、ブランド力と収益性なのです。
BMW部長 マキシミリアン・ケルナー 1961年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。85年ミュンヘンのルードウィッヒ・マキシミリアン大学商学部卒。87年、同大学より経済学博士号を取得。86年BMWに入社し、アジア、欧州各国で、マーケティング、財務の責任者などを歴任し、2012年より現職。
《SankeiBiz 福田俊之》
感想
われながら、クルマには結構くわしいと自負していたのだが、BMWが高級車販売で世界一になっていたとは知らなかった。ベンツは王道すぎてイヤだという人が、BMWを選ぶというイメージがあるので(ベンツもBMWもイヤな人は、アウディに流れるのだろう)、驚いてしまった。
『i3(公式サイトを表示)』、『i8(公式サイトを表示)』のiシリーズが凄いのは、航空機やレーシングカーなどに使われ、高価なことで知られるカーボン素材を、ボディの100%に採用していること(シャシーはアルミ製)。インタビュアーは高いといっているが、ボディがカーボン素材で、製造コストのかかるEV、PHVということも考えると、十分に競争力があると思う(EV、PHVは補助金がもらえるので、少しは安くなる)。
感心したのは、iシリーズそのものではなく、iシリーズを生産する工場。製造に必要な電力を、風力や太陽光などの、再生可能エネルギーで賄っていることである。エコカーといっても、作るのに火力発電で石油を使ったり、原発から電力が供給されたりしていれば、結果的にはまったくエコじゃないのだから。

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